「介護中の親なんか、いなければ・・・」と思ったことはありませんか?

毎日の在宅介護、おつかれさまです。
私も実父と、妻の両親、3人を在宅で介護した経験があります。
あなたが「在宅介護」で、とてもツライ思いをされている気持ちはよくわかっているつもりです。

在宅介護は、本当に大変です。

わたしの父親は、30年以上の長い間、精神病で入退院を繰り返していました。
病名は「統合失調症」です。当時は介護保険制度なんて、便利な制度はありませんでしたので、基本的に在宅介護です。どうしても手に負えないときは精神病棟(閉鎖病棟)へ、入院するしかありませんでした。

幻想や幻覚、幻聴などの症状がひどく、特に被害妄想を訴えることが多くありました。

「家の中に誰かが入って、財布を盗んだ」
「誰かが、食事に毒を盛っている」
「盗聴器が仕掛けられて、行動も会話も監視されている」
「ここにあったはずの置物が、眠っている間に動かした奴がいる」
「命が狙われているから、出かるのはイヤだ」

などなど、毎日毎日、毎晩毎晩、聞かされ続けました。

もちろん定職につくこともできず、仕事もできないため経済的にも不安定でした。私が中学生のころ、母はノイローゼのようになってしまい、父に手を挙げていたことを今でも強烈に覚えています。離婚のはなしもしていました。

定期的に病院へ通院していたものの、統合失調症の症状は改善することなく、父は年を重ね、身体も弱り、本格的な要介護の状態になっていきました。

最近、中高年の閉じこもり問題がクローズアップされていますが、私の家庭では、父親が長い長い閉じこもり生活を送っていました。

「壊れていく」という表現は、正しくないかもしれませんが、
実際に、「頭」も「身体」も壊れていく父を見ていると「こんな家庭に生まれてこなければよかった・・・」とか、「こんな父なら要らない・・・」と思ったことが何度かありました。

介護の手が必要になった父の身体を支えているときに文句を言われると、つい「カッ」となって「支えている手を放してやりたい」と、悪魔のような心のささやきが聞こえてくることがありました。

在宅介護中の介助者なら、誰もが似たような思いをしたことがあると思います。
終わりの見えないこのようなツライ状態が、毎日続くと、いつしか悲しい事故や事件が起こってしまうのだと思います。

私は、自分自身の経験から
在宅介護は「限界」を感じ始めたら・・・
悲しい事件や事故が起こってしまう前に・・・
介護施設や高齢者住宅に入ってもらい
介護は、プロにまかせた方がいいと思っています。

そんな思いで、この仕事を始め、
これまで3000件以上の方に、ホームの案内をしてきました。

関連記事

  1. シニア専門・住まいコーディネーターとは?